2005/10/26

Yahoo!ブックス

伊坂幸太郎インタビュー 『魔王』





――ムッソリーニはダンテの『新曲』を愛読していたそうですが、犬養の場合は宮沢賢治です。引用された詩に意外性があって惹かれました。



「小説に詩を引用したのって初めてなんですよ。『生徒諸君に寄せる』(『新編宮沢賢治詩集』所収)という詩に、<諸君の未来圏から吹いて来る 透明な清潔な風を感じないのか>という言葉があって、読んだときにはっとしたんです。僕が若いときにこの詩を聞かされたら、やっぱり、背筋が伸びたんじゃないかなって」



――そう、すごくカッコいい詩なんですが、人の心を動かす言葉には危険な一面もある。"犬養はこの魅力的な詩で若者を扇動するのではないか"という安藤の予想が、見事に的中しますよね。そこがとても怖くて。



「ついに来たかという気分ですよね。『魔王』はそういう緊迫感を感じながら書いていたんですよ。大洪水が来る、みたいな。僕自身はその洪水に抗えるほど強くないけど、洪水の中でも倒れずに立っている一本の木のようなものに興味があるんです。安藤君というこの主人公は抗いたいという意識があって、戦っていく展開になりました。」



2005/10/25

本 2005/11

魔王が呼吸するまで




『社会や政治に関心を持たず、距離を置き、自分の周辺だけが愉快であればそれでいい、という人々や、そういった感覚の小説に違和感を覚える僕としては(僕自身の作風が、そうだと認識されているのは覚悟した上で)、政治に接続したお話を書いたことは納得できる作業でした、ただ、にもかかわらず、これが政治に関するメッセージだ、と受け止められることには恐怖があって、頭を悩ませ、何度も何度も立ち止まり、書き上げた部分を消してやり直す。そんなやり方で、この本を書き上げました。』


2005/10/23

小説宝石 2005/11

大好きな本 「キャプテン翼」



「帰り際に頁を開いたら、もう読むのが止められなくなってしまい、家まで読みながら帰りました。今から思えばあれは、僕が生まれて初めて観戦する、サッカーの試合だったのかもしれません(漫画ですけど)。こうやってパスを出すんだな、であるとか、キーパーはここのシュートが取りにくいのか、であるとか、スライディングしてボールを奪ってもいいんだな、であるとか、そんなことでサッカーの技術を学んだ気持ちにもなったものです(漫画ですから、実際にはできないことも多かったのですが)。」






「キャプテン翼」1

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  • 「キャプテン翼」1~

  • 高橋 陽一

  • コミック ¥ 620



2005/10/07

文藝 2005/11 冬号

特集 吉田修一 伊坂さんから吉田修一さんへのQ&A




伊坂さんからのQ. 『純文学とエンターテインメントの違いって何ですか?(その定義や違いには関心がないのですが、吉田さんがどう回答されるのか、には興味があります)』



吉田さんからのA. 『良い小説を読んだあとにやたらと人に薦めたくなる本と、そっと自分だけのものにしておきたい本というのがあって、もしかしたらそういうことなのかなあと』


2005/10/01

魔王



「魔王」単行本



  • 2005/10

  • 講談社

  • 単行本

  • ¥1,300




「魔王」文庫本



  • 2008/9/12

  • 講談社文庫

  • 文庫本

  • ¥650





不思議な力を身につけた男が大衆を扇動する政治家と対決する「魔王」と、静謐な感動をよぶ「呼吸」。別々の作品ながら対をなし、新しい文学世界を創造した傑作!

「魔王」 【エソラ vol.1 2004/12】

「呼吸」 【エソラ vol.2 2005/7】