2008/09/26
新聞連載「SOSの猿」
困った人を救う「私の話」と、西遊記を取り込んだ「猿の話」が不思議で切ない世界に誘います。とのこと。挿絵、題字は高木桜子さん。
読売新聞 夕刊 2008/9/25
「SOSの猿」 作者の言葉
「子供からのSOSを見逃すな」という言葉を記事で目にしたことがあります。とくだん新鮮とも思えない言葉がその時は妙に気になり、辞書で、「SOS」を引いてみたのですが、すると、「俗に Save Our Ship(Souls)の略」とあり、はっとしました。「わたしたちの船(魂)を救って!」という響きに、迫力を感じたからです。以降、頭にずっとその言葉が残っていて、今回、その「SOS」を柱に、お話を書くことになりました。楽しんでもらえれば幸いです。
2008/09/18
2008/09/16
IN・POCKET 2008/9
特集:伊坂 幸太郎 ロングインタビュー
『モダンタイムス』がコミック誌での連載ということに対して意識したということ
漫画は好きだけど小説は読まないという読者にも、僕の小説を読んでもらいたいという気持ちが強かったからなんだと思います。
展開も急に怖い人が出てきたり、いきなり小指切られちゃったりとか、兎人間が出てきたりして。
最近になって「自分はサービス精神があるんだな」ということに気づいてきたんです(笑)。伏線を回収するというのも、自分が好きというよりも、読者に喜んでもらいたいからなんですよね。僕が好みの小説は、伏線を回収していないものもたくさんあるんです。急に怖いことが起こらなくてもいいんですけど、どうせ読むならこういうことがあったほうが、楽しんで読んでもらえるんじゃないかな、と。漫画にも、そういうところがあると思うんです。『モダンタイムス』も同じで、「ツカミとヒキ」といいましたが、一話読んだだけでも、途中から読んでも、面白いようにしたかったんですよね。結果的に、「モーニング」の中でも僕の小説は、他の漫画より漫画っぽい気がしたくらいです(笑)。今回は、読んでもらいたいという気持ちで始めていますから、さらにサービス精神が出たんだと思いますね。